動物の診療 第10回 チャームポイントの危機
(2016.4.12) 
最近ハリネズミの人気が急上昇しています。トゲトゲした体に、それと対照的なひょうきんな顔が人気の秘密です。

チャームポイントはつぶらな瞳です。

 

ハリネズミさんのチャームポイントが大変なことになっています。腫瘍でしょうか?焼く前のハンバーグみたいなやつが目玉の横にできています。目薬も効果が無く、だんだん大きくなってきてしまいました。

 
手術することにしました。小さすぎてわかりにくいですが、よく見ると矢印のところにハリネズミさんがいます。私がつけている変なメガネみたいなやつは拡大鏡です。

 できものはまぶたの裏側まで大きく広がって張り付いていたため、上下のまぶたの外側半分を全部切り取りました。

 元の顔を思い出しながら周りの皮膚を利用してまぶたを形成しました。
麻酔から覚めたハリネズミさん。
確かこんな顔でしたよ・・・ね?


術後1か月、twitter経由で写真を送っていただきました。すっかり元通りになっています。

切り取った物体を検査したところ、悪性のものではなかったのでとっちゃえば完治ですバンザイ。

 アイシャドーなんかが良い例ですが、目の周りというのは顔の印象をがらっと変えてしまいますので、この部分の手術は気を使います。病変が大きくなり過ぎると大きく切らなければならないので、小さいうちに手術した方が良いですね。