動物の診療 第7回
フクロモモンガの憂鬱(2014.12.10)


この動物は何でしょうか?グライダーのように滑空する動物です。

記事のタイトルを見て「フクロモモンガでしょ」と思った人は残念、違います。これはムササビの子供です。モモンガとムササビはよく混同されますが別な動物です。
また、モモンガにもカンガルーの仲間のモモンガとネズミの仲間のモモンガが居て紛らわしいです。テストに出ます。
 カンガルー目 フクロモモンガ 
 ネズミ目 ムササビ
ニホンモモンガ
アメリカモモンガ
エゾモモンガ 

最近ペットとして人気が出てきているのがフクロモモンガです。カンガルーが好きだけど飼うのは無理だから仲間のフクロモモンガを飼うという人も居るそうです。
このオスのフクロモモンガは自分の生殖器を咬んで傷つけてしまうということで病院にやってきました。自分を傷つける行為は各種のストレスが原因、つまり何か悩みがあって自虐行為に走っているという事です。
悩みの種が何なのか突き止めるのは難しいです。フクロモモンガは本来グループで生活する動物で、人や同居モモンガとのコミュニケーション不足が自虐の要因になることが多いと言われています。その他性的な欲求、苦痛を伴う疾患、環境的な不備などいろいろ考えられるところです。

傷ついて体に戻らなくなってしまった生殖器を手術で取りました。また、性的な欲求がストレスになるケースが多いので同時に去勢手術も行いました。
術後、自虐行為は無くなり平穏な日々を送っています。


さて、さすがにコレを飼っている人は居ないと思います。これはヒヨケザルというまた別の動物です。ヒヨケザル目に分類されており、厳密には猿ではありません。


そしてコレはニンゲンです。サル目に分類されている動物です。飛膜はありませんが科学技術を駆使することにより滑空できます。スカイダイビングの一種でWingsuit Flyingと言います。空を見上げた時に人が飛んでいたらコレです。