動物の診療 第2回 鳥の難産(卵塞)
(2014.5.29)
ウサギやイルカなどの哺乳類は赤ちゃんを産むのに対し、鳥類は卵を産みます。
ここでクイズです。卵を産む哺乳類は何でしょう?
(答えは文末)
さて、このレントゲン写真のインコちゃんは難産(卵が詰まっている)で、ぐったりし、両足がマヒしています。下腹部にうっすらと卵がうつっています。(カルシウム不足のため卵の殻がうすい)
歩けないため、食事や飲水ができず、弱っていました。
難産の原因としては次のようなものがあります。
・カルシウムやビタミンの不足(過産卵など)
・日光浴不足
・栄養の不足・かたより
・ストレス
・卵の通り道の病気(通過障害)
ショックを起こして心臓が止まってしまう事もありますので緊急事態です。
卵を摘出しました。殻がうすく、指で押すとピンポン玉のようにへこみます。
こちらは別な難産のインコちゃんから取り出した卵です。殻が出来ていてへこみません。
点滴や流動食などで体力を回復し、飛べるようになった患者さん。
難産は命を落とす場合もあり、大変なことになってしまいます。予防には栄養バランスの良い食生活と適度な日光浴、ストレスの少ない生活環境、発情のコントロールが大切です。カルシウムの補給には「ボレー粉」が有効です。
クイズの答え:カモノハシ、ハリモグラ