動物の医・食・住について時には脱線しつつ特捜・リポートします。
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 ウサギのためのニンジン学入門


うさぎと言えばニンジンでニンジンと言えばうさぎです。

うちの子はニンジンを食べない!という人は、スティック状に切ったり、薄くスライスしてみるなど、切り方を変えると食べるかもしれません。
特定の産地のニンジンしか食べないうさぎもいます。うさぎは味覚にかかわる細胞が人間の2倍近く有り、グルメです。

雑草、野菜、果物、ハーブ類などの植物はうさぎのエネルギー源であるとともに、いろいろな栄養素を含み健康状態を調整しています。

ニンジンに含まれる成分の体内での役割をいくつかご紹介します。
 β‐カロテン にんじんに非常に多く含まれます。 
皮膚・粘膜の健康維持。免疫機能の維持(感染予防)。
カロテン・・・キャロテン・・・キャロッテン・・・
キャロット・・・これが英語名の語源です。
 リコピン  金時ニンジンで特に多い。老化防止、ガンの抑制
 ナイアシン  皮膚の新陳代謝、遺伝子の修復、血行改善
 パントテン酸  ビタミンCの働きを助ける。解毒
 ビタミンC  葉に多い。血液・皮膚・骨・血管などの維持、老化防止など
 ビタミンK 止血機能の維持

良いことばかり挙げましたが、食べすぎると特定栄養素の過剰症を引き起こし、様々な健康障害をもたらします。また、繊維質も少ないためニンジンだけでウサギの健康を維持することはできません。ニンジンはたしなむ程度に少量を与えれば十分にその機能を発揮します。

当院ではニンジンも治療に活用しています。
手術直後や病気で食欲が無い入院のうさぎもスライスしたニンジンをきっかけに食欲が回復する事が多々あります。

ぜひ、うさぎが好むさんニンジンの産地と絶妙な切り方を探してみてください。